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2022 03
23

『私の見た世界遺産⑥「古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)」― 平等院鳳凰堂 

京都府宇治市にある世界文化遺産、「古都京都の文化財」の構成資産のひとつの、藤原一族の栄華を今に伝える平等院鳳凰堂を紹介します。私はこの威厳と歴史ある場所がとても好きです。

この京都の遺産と「明治日本の産業革命遺産」は共通点があります。ご存じですか? それは、どちらも複数の資産で構成されるシリアルノミネーションなのです。古都京都の文化財の構成資産数は合計17で、3つの市に所在する寺社と城郭で構成されています。その中には、金閣寺、清水寺、二条城をはじめ、錚々たる神社仏閣があり、平等院も含まれています。

私はそんな京都にかつて住んでいたことがありました。平等院は、自宅からけっして近くはありませんでしたが、水面に映った鳳凰堂は思わずため息が漏れるほど美しく、一目見たときから何度も足を運びたくなる場所になりました。藤原頼通はこの鳳凰堂を、極楽浄土を思わせる場所として建立したといいます。1000年近く経った今も、人々の心に響いている存在、またその歴史や文化を近くで感じられる京都という地で暮らしていたことをとても誇りに思っています。

京都といえば、学生の修学旅行先として常に人気です。国内の観光客もたくさん訪れていますし、世界の人気都市ランキング(米国の大手旅行誌「コンデ・ナスト・トラベラー」)で京都が1位に選ばれたこともあります。

しかし、世界遺産になる以前から京都は観光都市ではありますが、近年の更なる観光客の増加によるオーバーツーリズムによって市民の暮らしが圧迫を受けていることはニュースにもなりました。生活と観光の共存は、京都だけではなくどこでも問題になり得ることだと思います。「明治日本の産業革命遺産」に関わることになってから、そういったことにより目を向けるようになりました。(おわり)

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